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  中央市場、ウフィッツィ美術館

フィレンツェ (イタリア)


* 中央市場は見るだけで胸焼けが…


2階の青果物売り場も大賑わい


なに見てんだよー


チキン・ジョージはこんな姿に…


♪う〜さぎ、お〜いし〜、かのや〜ま


レクター博士も舌鼓。脳みそ1杯、3.10ユーロなり

 

駅の東、歩いて5分の場所に、とても大きな体育館のような建物がある。なんの建物かと思ったら、さまざまな食材が集まる中央市場なのだそうだ。

中はがらんとした2階建てで、1階は主に肉とチーズ、2階は青果物を中心に扱う店がたくさん寄せ集まっている。さすがグルメの町と思わせる、豊富な食材がそろっていて、しかも安い。

特におもしろいのは1階の肉売り場だろう。まず、置いてあるものがでかくてびっくり。牛をまるまる一匹かと思うような巨大な肉塊がいくつも吊るされていたりする。

さらに、見たことのないような内臓がたくさんならんでいてびっくり。内臓専門の店もあるくらいだ。さすがローマ帝国の末裔、こんなものまで食べるのかと、飽くなき食欲に驚かされるのだ。

鳥やうさぎは頭がついたまま並べられていて愛嬌を振り向いている。動物の死体を見たくない人や、心臓の弱い人は要注意だ。

商品のラインナップだけでなく、肉とチーズの入り混じった濃厚な匂いのせいで少々気分が悪くなった。

他にも乾燥フルーツやワイン、漬けたオリーブなどを売る店もある。

 

* サンタ・マリア・ノヴェッラ教会と薬局


サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のファサード。フェレンツェ独特の装飾が美しい


薬局の入り口にあるショーウィンドウ

 

駅の名前にも採用されているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会 Santa Maria Novella は、駅のすぐ南側にある。

横の壁面はむき出しのレンガが古めかしいが、ファサード(正面)はフィレンツェ独特のロマネスク様式の装飾がほどこされており、おとぎ話の絵本のようだ。

さて、教会の南側の通りを西へ少し行くと、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 Officina Profumo Farmaceutica di Santa Maria Novella がある。「薬局」などというから古びた薬屋をイメージしたら、大違い。とてつもなく豪奢な内装のおしゃれなお店なのだ。薬局の歴史は古く、ペストが蔓延した頃に薬草を販売したのが始まりらしい。

教会から2、3分で薬局のショーウィンドウが見つかる。商品の一部がきれいにならべられている。この右側の扉が薬局への入り口だ。

普通の家屋の扉に見えるが、勇気を出してドアを押してみよう。廊下を少し奥へ入ると、足がすくむほど豪奢な店内にたどりつく。

さらに奥には薬草を中心としたサプリメントをコーナーもある。美しい中庭を見ることもできるので、ぜひ奥まで進んでほしい。この店は、内装をみるだけでも立ち寄る価値がある。

日本語で書かれた商品一覧も用意されているので、買い物はしやすいだろう。石鹸やオーデコロンの小瓶など、買い求めやすいものも多数ある。

16世紀にカトリーヌ・ド・メディチのために作られた香水が今も同じ製法で作られているそうだ。

 

* ウフィッツィ美術館で「ビーナスの誕生」を見た!


屋上のカフェで食べたサンドイッチとエスプレッソ。値段は高く、味は今ひとつ


カフェからの風景。目前に迫るヴェッキオ宮殿がいい

 

 

チケットの買い方を昨日書いたが、予約した時間が近づいてきたのでウフィッツィ美術館 Galleria degli Uffizi に向かう。

ウフィッツィとは、英語でいうと offices のこと。元は役所の機能を集約しようとして作られた建物が美術館として使われているのでこの名がある。

チケットには11時から11時15分までに来るように書かれている。実際は10時55分に行ったのだが、すんなり通してくれた。

セキュリティ・チェックを受けて奥へ入るが、収容人数の調整のためか少し待たされる。数分後、20人程度が一度に通される。チケットを機械に入れて、いよいよかと思ったが、ここから階段で3階に上って、ようやく美術館に入ることができる。

ルネッサンスを中心に中世から18世紀までの絵画を展示してあり、ルネッサンス絵画に関しては世界最高のコレクションを誇る。

中でも一番有名なのは、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」だろうか。他にはルーベンス、ミケランジェロ、ラファエロ、カラヴァッジオなどなど、名の知れた連中の作品がごろごろある。全部で40部屋以上あるのだが、各部屋に1枚は傑作があり、教科書や美術の入門書で何度も見た「馴染み」の絵に出会うことができる。

ぼくはルネッサンス絵画にはあまり興味がない。絵の具の使い方がうすっぺらいので、印刷された絵を見てから実物を見ても、さほど大きな発見がないのだ。むしろ、展示方法や照明の具合によっては、印刷物で見た方がいい場合だってある。

ではどのような絵画が面白いかというと、印象派だ。印刷されたものを見て、印象派はつまらないと思っていたのだが、実物のルノワールを見て衝撃を受けた。印象派の絵画は立体芸術だ。パリのオランジュリー博物館こそ世界一の美術館だ。

ぼくの好みはさておき、ルネッサンスの人類史的な意義はわかるし、その精神性はすばらしいものだ。そして、遠近法などの技術の発展や画材の進歩など、知識を持って見ればおもしろいものだと思う。しかし、どうにもハートにガツンとくるものではない。などといいつつ、古い祭壇画に向けられた祈りを想っては胸が熱くなり、ピエタに描かれたマグダラのマリアの表情に涙を流すこともある。

予約制なので、中は比較的ゆったりしているが、18番トリビューナの間 Tribuna だけは入るのに行列が出来ることがある。高いドームを持った豪華な部屋で、ドームの内側にはきらきらした真珠貝の殻が敷き詰められている。朝から行く人は、まずここから攻めればいいだろう。

途中、屋上のカフェでランチを食べる。値段は高く、味も悪いが、景色がいい。目前に迫るヴェッキオ宮殿に圧倒される。テーブルに座らなければ屋上でうろちょろしていてもタダなので、サンドイッチなどを持ってくるのがいいかもしれない。スズメも積極的で楽しい。

ちなみにこの美術館はトイレが一箇所にしかなく、女性用はやや混みあうのでご注意を。

一通り見終わった後、2階で行われている特別展でユーロペに関する作品を多数見た。牛に化けたゼウスに誘拐されてヨーロッパの語源になったともいわれる女性だ。彼女をモチーフにした作品を中心に展示されている。

ゆっくり4時間は見てまわったが、だいたい2時間くらいで予定しておけばいいのではないか。

 

* ドゥオモの螺旋階段に目を回す

巨大な大聖堂のドームに上るのだ。ぼくはもう二度と上らないだろう


外装もとても豪華で繊細。でも、ぼくはもう二度と上らないだろう


すばらしい風景が見渡せる。でも、ぼくはもう二度と上らないだろう


すぐ隣にはジョットの鐘楼がそびえる。こちらも上れるらしい。ぼくは上らないが

 

いよいよフィレンツェの心臓ともいうべきドゥオモ Duomo に挑む。ドゥオモというのはイタリア語で「神の家」を意味する言葉で、大聖堂 cathedral に相当する。

炎天下で20分ほど並ばされてようやく入ると6ユーロもかかった。巨大な聖堂内部が見れるかと期待は膨らむが、すぐに右手の階段から上らされる。

暗くて狭い、嫌な感じの階段だ。そこを黙々と上っていくうちに、どうやら聖堂内部の見学ではなく、ドームに登るために並んでいたのだと気付く。大失敗だ!

かといって、この狭い階段では戻ることもできず、我慢して上っていく。この階段はかなりきつい。実際、やや年配の方は場所を見つけては息を切らせながら休息している。

暗さと狭さのせいで、そのうち時間の感覚を失う。やがて、階段は急旋回を続ける螺旋階段に変わる。相変わらず暗く、狭く、いくら上ってもまったく見えるものが変わらず左にグルグル回り続けるだけの螺旋階段を上り続ける。ほどなく目が回り、吐き気すら感じ始める。

これは臨死体験だ。永遠に続くかと思われる螺旋階段での臨死体験。人は苦しくなると神に祈り、現世の悪を悔いる。この階段はまさにそのための演出なのだ。ぼくは、メディチ家の神になど祈らないぞと、心を強くする。

どのくらいの時間が経ったかわからないが、ようやくドームの内側に出ることが出来た。ここからは聖堂全体を見渡すことができ、16世紀に書かれた天井画「天国と地獄」を間近に見ることができる。

とてもスケールの大きな天井画はきっとすばらしいものだと思う。だが、人がすれ違うことすら難しい狭い通路で、しかもものすごく高い場所では、落ち着いてみることなどできるはずがない。ただ、そこに描かれた天国と地獄の対比があまりにも俗物的で悪趣味なのには閉口した。

早く進みたいが、前が動かないことにはどうしようもない。10分ほどしてようやく先頭集団が動き出した。さらに屋上に向けて上り続けるのだ。

もう一度、臨死体験をしながら階段を上り続ける。そうこうするうちに、ついに屋上に到達した。

ここからの風景はすばらしい。どうやらフィレンツェで一番高い場所のようだ。なにもかもを見渡すことができる。360度、自由に周ることができるように足場が設けられてある。

驚いたことに、屋上にいる人の3分の1は日本人だった。フィレンツェは日本人観光客が意外と少ないと思ったのだが、ここに集結していたとは。たしか、辻仁成のナルシス小説を映画化した「冷静と情熱のあいだ」で、うじうじした恋人たちの再開の場所がここだったような記憶がある。こんなところではトイレにも行けないので、絶対に待ち合わせに使ってはいけない。もちろん、いっしょに飛び降りようというつもりなら別だが。

しばらくぼんやりと風景を眺めたり写真を撮ったりしながら時間を過ごす。それから階段を下りる。一部の階段が上りと下りで共用なのでけっこう時間がかかる。

なんとか地上に降りきったが、妙な裏口から放り出されて、聖堂には入れず。あれれ?ドームに上りたかったのではなくて、聖堂の中を見たかっただけのに…

 

* ピザは最高にうまい

ハムがたっぷりのったシンプルな逸品


そばにいた人に頼んで撮らせてもらったビスマルク Bismark というピザ。これもうまそう

 

明日はベニスに移動なので、フィレンツェでのディナーはこれが最後。ホテルのフロントできいたうまいと評判のピザ屋に行く。

ビールやサラダを頼んでピザが焼きあがるのを待つ。ちなみに、サラダには味付けがされておらず、塩、胡椒、オリーブオイル、ビネガーで、好きなように味付けして食べるのだ。このビネガーは酸味のバランスが絶妙で、いくらでも野菜が食べられる。

そして、焼きたてのピザは、確かにうまい。

薄めの生地は外側はカリカリ、内側はスープをたっぷりすってまろやか。やんわりとしたトマトソースに高級チーズ、たっぷりのハムをのせて焼いてあるのだ。ハムは量が多い分、質は低いが、なかなかのお味。

ぼくが頼んだのは、シンプルにハムがのった、プロシュートというもの。たったの5ユーロ。しかもでかい!

日本のピザとの最大の違いは、味の重さだろう。イタリアのピザは全体に「軽い」という印象を受ける。チーズや油分がとても軽いので、楽にたくさん食べられるのだ。

 

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