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走行距離 9160km |
ТРЯВНА |
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| * なぜか熱烈歓迎!リラックスできる街 | |
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修道院を見た後は、信じられないような細い道を通って山をふたつ越え、トリャヴナという人口1万2000人の小さな街にやってきた。距離が短かったからよかったのだが、対向車が来たらどうすればいいのかわからないような狭い道を上り下り。いつも通りちょっと迷って遠回り。 目標にしていた安宿はすぐに見つかり、部屋も空いていた。一泊25 leva で、トイレもシャワーもついている。改装したてらしく、とても清潔で明るい部屋だ。 街を歩いていると、老人たちのビッグバンドが行進曲を奏でていた。腰掛けて少し聞いたみた。一曲終わるたびに、次は何を演奏しようかと議論が盛り上がり、なかなか次の曲が始まらない。最初は勇ましい曲をやっていたのだが、次第とさみしげなトーンを帯びてくる。旧ユーゴスラビアの「アンダーグラウンド」という映画を思い出させる光景だった。 この街は観光地として開発のまっただなかにあるらしく、石畳を掘り返したりしていた。ずいぶんと広いエリアが、景観保護地区に指定されていて、古い家屋がそのまま保存されている。保護地区をうろつくだけで、ちょっとしたタイムスリップ気分を味わうことができる。 土産物屋も多いが、観光客はさほど多くない。シーズンのせいかも知れないが、まだ観光地として認知されていないのかもしれない。 この街の持つ「古さ」というのは、とても中途半端な気がした。中世のものではなく、もっと新しい。ぼくは70年代の日本の風景が記憶の片隅に残っているのだが、それに似ているような気がした。高度経済成長期に、顧みられることなく消えていった風景。別にそこに豊かな精神生活があったとも思わないが、あまりに無反省に消えていった風景が、ここでは保存されているという気がした。 ひとことでいうと、かび臭い。湿気と時間によって歪んだ木材の匂いがする。 例えば、大天使ミカエル教会に入ってみると、東方正教会風の祭壇があるが、完全に煤けている。イコンも煤けてまっ黒。一部がイコン・ミュージアムになっているのだが、古い木造建築を十分に手入れしないとこうなってしまうというモデルケースのような場所だ。ひとことでいうと、かび臭い。 なので、川べりの光景など、とても懐かしい気持ちがしたのだった。 それにてもこの街は熱烈歓迎の街だ。みんな笑顔だ。公園でのんびりしている若者たちには、「日本人か?日本人か?」と取り囲まれる。イコン・ミュージアムでは、おばさんがわざわざ出てきて、「ここには英語の説明があるぞ。読んだか?」などと、スペイン語で教えてくれた。出て行こうとすると、印刷のズレた天使の聖像をくれた。ツーリスト・オフィスでは、地図を切らしているといいながら、わざわざコピーを取ってくれた。薄くてわかりにくいんじゃないかといって、コピーをやり直してくれたりした。おまけに、全ての見どころについて、いちいち説明してくれる。「ここが一番おもしろいけど、ちょっと遠いの。こっちは5時までだから、先に行きなさいね」など。 ホテルもレストランも、万事がこんな感じなのだ。こんなにちやほやされると悪い気はしない。 そして、物価はやっぱり安い。ヴェリコ・タルノヴォよりもちょっと安いと思う。 例えば、夕飯は観光客に人気のおしゃれなレストランで食べたのだが、サラダ、ポーク・シチュー、フライドポテトのチーズがけ、ビール500cc、食後の紅茶、これだけ食べて550円程度だ。これは安い。 メニューを見てみると、コーラが50円。レストランでコーラを飲んで50円とは驚きだ。スープは100円だし、肉料理は何を食べても200円前後だ。 ただ、ユーロが導入されると物価は上昇するだろうとだれもが考えている。東欧に行くなら今のうちではないかと、ぼくは思いながら、安くておいしい料理を身動きが取れなくなるほど食べたのだった。 ちなみに、この街はネコが多い。驚くほど多い。 (2004年9月16日)
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