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走行距離 7395km |
Banská štiavnica |
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| * 鉱山で栄えた街の末路は、寂れた温泉街のよう | |
![]() 200キロほど南西へGO!
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朝露で濡れる芝生をふみしだいて、キャンプ地を出発。200キロ南西にある、人口1万人程度の街を目指した。
スロバキアは東部、中央部、西部の3つのエリアに分けることができるが、ここまで来ると中央部になる。 相変わらずゆるやかな自然と濃い緑に囲まれた道は美しい。小高い丘を越える度に新しい風景が目の前に広がる。やがて、タトラ山地が迫ってきた。カルパティア山脈の最高部。 緑に覆われた平野に、むき出しの歯のように飛び出た山は、絶景だ。 そういえば、スロバキアはスキーリゾートとして、とても有名だったのを思い出した。山間の道を行くと、いくつもリフトが並んでいて、冬の訪れを待っているかのようだった。 タトラ山地を後にすると、道の起伏が激しくなってくる。自動車道を下りてわき道に入り、目的地を目指すが、上り下りの連続で、しだいと難しくなってくる。そんな道には木材を積んだトラックなどがゆっくりと走っており、激しく噴き出す黒煙で渋滞を演出している。 さて、ようやくたどり着いたこの街は、斜面に造られていて、運転がとても難しかった。だが、規模が小さいこともあって、なんとか宿にたどりつき、ちょっと離れたところに無料の駐車場も見つけることができた。 この街は、過去において、とても豊かだった。中世から豊富な金と銀を産出し、18世紀、ハンガリーに支配を受けていた時代には、ハンガリーで第2の規模の都市にまで発展したのだった。 だが、やがて、鉱脈は枯れ、街は捨てられる。今も、当時の繁栄を伝える見事な建物が多数残されているが、修復の手が回らず、朽ちていくばかりに見える。 実際、街には廃屋だらけだ。目抜き通りにすら、窓が割れ、壁の落ちた家が点在する。裏通りに入れば、さらにひどい。 商業も未発達で、わずかな数の商店はどれも小さく、みやげ物を売ってひと稼ぎしようという野心を感じさせない。唯一、流行っていたのは、10Skでアイスクリームを売る店だけだった。商業については、別の場所に新市街があるからかも知れないが、それなりに観光客が集まる街なのに、これはひどすぎる。次に行くハンガリーの地図どころか、スロバキアのテレホンカードすら見つからなかった。 金や銀が出ないなら、平原から遠く離れた山の中のこんな街など、不便でしかない。人々が離れていくのも仕方がなかったのだろう。 写真は数多く撮ったが、あまり説明することもないので、夜のレストランでの話でも書こうかと思う。 さて、今日の夕飯はちょっと裏に入ったところにある、新しいレストランに行った。 ビールとガーリックスープ、それと、チーズとキノコの風味の酸味のあるソースにビーフをあえたものをたらふく食べた。 最初、店内に他の客はいなかったのだが、時間が早かったからか、しだいと混雑してきて、感じのいい老夫婦と相席することになった。最初、英語で話していたのだが、彼らはベルギーから来たというので、フランス語で小粋なトークを繰り広げた。 彼らにとっても、外国のレストランで何を食べるかを決めるのは、とても難しいのだそうだ。一応、メニューには変な英訳が載っている。が、どうもそれがわかりにくい。ぼくはもうメニューを見ながら選ぶのは半ばあきらめていて、まず店の人にお勧めを聞く。その地方の名物料理が何かを聞いて、それを食べるようにしている。ただ、この店のお勧めは、羊のチーズをあえたスパゲッティという、奇抜なしろもの。これはだめだと思い、別のものにした。 こんな時、日本のガイドブックはよくできているな、と思う。写真と名前が載っているから、「これを」と言って見せれば、だいたい似たようなものを持ってきてくれる。ぼくは英語のロンリー・プラネットしか持っていないので、こんな時に役立たない。各国の名物料理の写真と名前が載ったカード型の本など出れば、ぼくは買うに違いない。 スロバキアの新鮮なところは、英語が通じないこと。本当に通じない。驚くほど通じない。知的な風貌をした若者以外は、まったく英語がわからないのだ。このレストランでも、英語で質問をしていたのに、「英語は話せるか?」と聞かれた。それくらいわかっていないのだ。いや、これは決してぼくの英語に問題があるわけではない。その証拠に、この後、妙な3人組と英語で長々とトークを繰り広げた。 向かいのテーブルに座っていたひげもじゃの青年が、日本語で何か話しかけてきた。なにかと思って聞いてみると、彼はイスラエル人で、すでに4年間、日本語を勉強しているのだそうだ。奨学金をもらい、来年の春から日本で勉強することになっているのだとか。彼は、オーストラリアの研究者と、アイルランドのミュージシャンといっしょに、チェコとスロバキアを旅しているところだそうだ。いろいろ情報交換をしたり、国のことを話したりした。それにしても、遠く離れた4つの国の人間が、こんな辺鄙な場所で同じテーブルを囲んでいるなど、不思議なものだ。 そう、ひとつ面白いことを教えてもらった。チェコ産の自動車にスコダというものがあるが、これはチェコ語で、「Pity あわれみ」を意味するのだそうだ。なぜそんな名前なのかはわからなかった。それ以上に、チェコで自動車が作られているということが、ほとんどの人にとっては驚きなのではないだろうか。 (2004年9月6日)
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