Gamecat.com > ヨーロッパ一周 > バンスカ・シュティアフニカ
   バンスカ・シュティアフニカ

走行距離 7395km
訪問都市     20

 Banská štiavnica
(スロバキア)

 

<<<前 / 次>>>

* 鉱山で栄えた街の末路は、寂れた温泉街のよう

200キロほど南西へGO!


ついに姿を現した、タトラ山地


平野に突き出した歯のような姿がとてもきれい


道の反対側もやっぱり緑。こんなに快適な道はなかなかない


追い越しのできない山道では、時速20キロのトラックががっちりブロック


街全体が世界遺産だが…


目抜き通りはこんなありさま


中心となる三位一体広場はまあまあ


ルネッサンスの建物が多い。が、このように維持されているものは少ない


聖カテリーヌ教会が公開されるのは7月と8月だけ。やる気のなさがイイ!


ヨーロッパで最初に開かれた鉱山学の大学


イカした教会もある


古い方の城はこんな感じで、気付かずに通り過ぎてしまいそうだ


遠くの丘の上には美しい教会がそびえる。ずいぶんと遠いが、訪れたいと思わせる存在感がある


かつての市壁に設けられた門。洗練された外見からも、当時の街の繁栄ぶりが推察できる


4つの塔に支えられた小さな城


横から見上げてみると、ぬりかべだ。


色は褪せ、塗装は落ち、窓は割れる。どのように街が風化していくのかを知るには格好の場所だ


街中、どこに行っても廃屋だらけだ


立派な建物も廃屋


西部劇に出てきそうな建物も廃屋


17世紀のステキな建物も廃屋。ここまで荒れる前に、手の施しようはなかったものか…


商業は未発達。ソビエト時代を思わせる小さな商店の棚には、ほしいものがなにもない


ガーリックスープはやっぱりうまい


酸味のあるスープはキノコとチーズの風味。うますぎ〜

朝露で濡れる芝生をふみしだいて、キャンプ地を出発。200キロ南西にある、人口1万人程度の街を目指した。

スロバキアは東部、中央部、西部の3つのエリアに分けることができるが、ここまで来ると中央部になる。

相変わらずゆるやかな自然と濃い緑に囲まれた道は美しい。小高い丘を越える度に新しい風景が目の前に広がる。やがて、タトラ山地が迫ってきた。カルパティア山脈の最高部。

緑に覆われた平野に、むき出しの歯のように飛び出た山は、絶景だ。

そういえば、スロバキアはスキーリゾートとして、とても有名だったのを思い出した。山間の道を行くと、いくつもリフトが並んでいて、冬の訪れを待っているかのようだった。

タトラ山地を後にすると、道の起伏が激しくなってくる。自動車道を下りてわき道に入り、目的地を目指すが、上り下りの連続で、しだいと難しくなってくる。そんな道には木材を積んだトラックなどがゆっくりと走っており、激しく噴き出す黒煙で渋滞を演出している。

さて、ようやくたどり着いたこの街は、斜面に造られていて、運転がとても難しかった。だが、規模が小さいこともあって、なんとか宿にたどりつき、ちょっと離れたところに無料の駐車場も見つけることができた。

この街は、過去において、とても豊かだった。中世から豊富な金と銀を産出し、18世紀、ハンガリーに支配を受けていた時代には、ハンガリーで第2の規模の都市にまで発展したのだった。

だが、やがて、鉱脈は枯れ、街は捨てられる。今も、当時の繁栄を伝える見事な建物が多数残されているが、修復の手が回らず、朽ちていくばかりに見える。

実際、街には廃屋だらけだ。目抜き通りにすら、窓が割れ、壁の落ちた家が点在する。裏通りに入れば、さらにひどい。

商業も未発達で、わずかな数の商店はどれも小さく、みやげ物を売ってひと稼ぎしようという野心を感じさせない。唯一、流行っていたのは、10Skでアイスクリームを売る店だけだった。商業については、別の場所に新市街があるからかも知れないが、それなりに観光客が集まる街なのに、これはひどすぎる。次に行くハンガリーの地図どころか、スロバキアのテレホンカードすら見つからなかった。

金や銀が出ないなら、平原から遠く離れた山の中のこんな街など、不便でしかない。人々が離れていくのも仕方がなかったのだろう。

写真は数多く撮ったが、あまり説明することもないので、夜のレストランでの話でも書こうかと思う。

さて、今日の夕飯はちょっと裏に入ったところにある、新しいレストランに行った。

ビールとガーリックスープ、それと、チーズとキノコの風味の酸味のあるソースにビーフをあえたものをたらふく食べた。

最初、店内に他の客はいなかったのだが、時間が早かったからか、しだいと混雑してきて、感じのいい老夫婦と相席することになった。最初、英語で話していたのだが、彼らはベルギーから来たというので、フランス語で小粋なトークを繰り広げた。

彼らにとっても、外国のレストランで何を食べるかを決めるのは、とても難しいのだそうだ。一応、メニューには変な英訳が載っている。が、どうもそれがわかりにくい。ぼくはもうメニューを見ながら選ぶのは半ばあきらめていて、まず店の人にお勧めを聞く。その地方の名物料理が何かを聞いて、それを食べるようにしている。ただ、この店のお勧めは、羊のチーズをあえたスパゲッティという、奇抜なしろもの。これはだめだと思い、別のものにした。

こんな時、日本のガイドブックはよくできているな、と思う。写真と名前が載っているから、「これを」と言って見せれば、だいたい似たようなものを持ってきてくれる。ぼくは英語のロンリー・プラネットしか持っていないので、こんな時に役立たない。各国の名物料理の写真と名前が載ったカード型の本など出れば、ぼくは買うに違いない。

スロバキアの新鮮なところは、英語が通じないこと。本当に通じない。驚くほど通じない。知的な風貌をした若者以外は、まったく英語がわからないのだ。このレストランでも、英語で質問をしていたのに、「英語は話せるか?」と聞かれた。それくらいわかっていないのだ。いや、これは決してぼくの英語に問題があるわけではない。その証拠に、この後、妙な3人組と英語で長々とトークを繰り広げた。

向かいのテーブルに座っていたひげもじゃの青年が、日本語で何か話しかけてきた。なにかと思って聞いてみると、彼はイスラエル人で、すでに4年間、日本語を勉強しているのだそうだ。奨学金をもらい、来年の春から日本で勉強することになっているのだとか。彼は、オーストラリアの研究者と、アイルランドのミュージシャンといっしょに、チェコとスロバキアを旅しているところだそうだ。いろいろ情報交換をしたり、国のことを話したりした。それにしても、遠く離れた4つの国の人間が、こんな辺鄙な場所で同じテーブルを囲んでいるなど、不思議なものだ。

そう、ひとつ面白いことを教えてもらった。チェコ産の自動車にスコダというものがあるが、これはチェコ語で、「Pity あわれみ」を意味するのだそうだ。なぜそんな名前なのかはわからなかった。それ以上に、チェコで自動車が作られているということが、ほとんどの人にとっては驚きなのではないだろうか。

(2004年9月6日)

 

<<<前 / 次>>>

  Gamecat.com / ヨーロッパ一周 / メルマガ / カンパ / 掲示板 


Gamecat.com に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 yas iMai. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.